日々の砂丘

正直に書く

ザマ―レク雑感

 

 

 死ぬのは怖い。

 

 

 

 

 普段の生活で死を意識することは殆どない。これは、日本にいてもエジプトにいても一緒のことだ。

 

 

 

 

 水準は違えどみんなに当たり前の生活があり、よほど極度の貧困状態でない限り、死と隣り合わせで生活するということもない。

 

 

 

 

 

  カイロの治安は最近は比較的安定しており、死ぬとすれば交通事故ではないかな、ぐらいな気持ちで生活している。

 

 

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 最近、ザマ―レク地区に足を運ぶことが増えた。

 

 

 

 ザマ―レク地区では、いわゆる「富裕層」の人々が生活をしており、外国人の数も多い。別に、ここにきてエジプトが嫌になったので外国人地区に足を運んでいるのではない。あと3週間足らずでカイロから身を引く自分の今のミッションが「お土産集め」であるからだ。あそこには、おしゃれでそれなりにかわいい、日本に持って帰っても恥ずかしくないクオリティのお土産がわんさか置いてある。勿論、エジプトとは思えないぐらいの、いいお値段なんだけど。

 

 

 

 

 

 

 とかくこのザマ―レクは、おしゃれで、静か(動物のようなエジプト人が大量に住むダウンタウンで日々を生きる自分からすれば、とりわけ静かで最早不気味なレベル)。

 路上駐車はエジプトクオリティだけど、停まっている車はBMWフォルクスワーゲンなど。さすが、日本の名だたる商社やマスコミの駐在員様方が生活をしている地区というだけはある。

 5つ星ホテルも立ちならぶ。中でもマリオットホテルは、海外の要人たちが集まって泊まり、会議をするような場所だとかなんとか(半そで半パンでホテル内に立ち入り可能なのは一体)

 

 

 

 

 

 

 

 生活するエジプト人も、明らかにダウンタウンどうぶつの森)に生息するオランウータン(野生のエジプト人)とは品格が違う。自分はオランウータンサイドの人間なので何とも言えないが、外国人という特権を活かしてザマ―レクの富裕層になんとか溶け込み、よさげなお土産を物色しては買わずに店を立ち去る迷惑な客になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 さて、本日もここザマ―レクに足を運び、よさげなお土産に目星をつけては、グーグルマップにメモをつける作業を繰り返していた。意外と、お金を使うのには慎重で、今のところは下見を続け、気分が乗った時に一気に買ってしまおうと思っている。ビーズアートや刺しゅうなど、日本で買ったら「ハンドメイド」の名のもと高額な値札が貼られているであろう商品が、1000円そこらで並んでいる。まぁエジプトの1000円はコシャリ12杯分なのでなんとも言えないところだが、お土産を受け取る人間は日本人なので、そこは日本人の感覚で選んでいくべきかなぁ。。。なんて財布と相談しては涙を流している(日給600円なので)

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぽつんとナイル川の中州に浮かぶこの地区を歩くと、川から吹いてくる風が気持ちいい。もう秋だ。ナイル川沿いは若者のデートスポットで、恐ろしい数のエジプト人カップルが川沿いに並んでべたべたしている。お前たち、夜のナイル川でセルフィ―撮ってもいい写真とれるわけなかろーもん。

 

 

 

 

 

 

 

 散歩を続けると、少し緊張感の漂うエリアを何度も通過する。大使館だ。ここザマ―レクは、治安も安定しているため、各国の大使館が集中的に置かれている。が、昨今はこの大使館がテロの標的になる場合が多い。この前も、アメリカの大使館で可燃物を持った男が立ち入ってどうたらこうたら、とかいう話があった。大使館のテロがらみで旅レジ(日本大使館に登録する海外渡航者届)からメールが来た数も両手では足りない。

 

 

 

 

 

 

 

 日曜のザマ―レクはいつもより静かで、前述の通り不気味だ。大使館の前を歩くときは、緊張する。銃を持った警察官(軍関係者)がじろじろこちらを見てくる。別に大使館自体に緊張感はないんだけど、なんだかね。自分の横を車が通ろうものなら「爆発するのでは!?」と一瞬警戒してしまう。今日なんかは、突然車がバックで下がってきて、このまま爆発するのではと本当に焦った。いや、ばかばかしい話ってのは百も承知だけど、大使館前を通るときは、なんだかいつもより死に近い気がする。

 

 

 

 

 

 

 なにもあるわけない。日本で地震が起こる前もそう。エジプトでテロが起こる前も一緒。普段はそんなこと、頭の片隅にもないのに、ある日突発的に、理不尽に命を奪われる可能性を孕む世界。当たり前の事実に、なぜか大使館を通して気付く、意識する。変なの。俺だけか。

 

 

 

 

 

 死ぬかも、と思うと、必死に生きれるらしい。常に今日が人生最後の日だと思って生きるといいとか、誰かが言ってた気がする。そりゃそうなんだけど、そんなこと誰が普段から思うのよ。自分は臨死体験をしたことがないので、まだ本気になれない。けど、なんだか今日は、大使館を通った時に、ふと、死ぬかもしらんと思った。買わなきゃ後悔する気がして、コシャリの5倍の値段のノートを買った。インドの下調べをしてメモを残すやつが前々から欲しかったのだ。未来のインドの確定予定を立てて、今日は絶対に死なないという、根拠ともいえない根拠が欲しかっただけな気もする。

 

 

 

 

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 ダウンタウンに戻ってくると、ホテルの前の通りで果物を売っているおっちゃんが「りくぅ~」と声をかけてきた。知らないクソガキが「中国人~」と煽ってくる。なんだか安心した。ここじゃ死なない気がした。多分、自分には、静かで不気味な富裕層地区よりも、野生のエジプト人が住むどうぶつの森の方が向いている。

 

 

 

 

 

 

 そういえば、明日は月曜なのに仕事が休みとかなんとか聞いたので何かと思ったら、日本は敬老の日らしい。我が家のじじばばは4人中3人が健在で、1名は天国からカイロ生活を見守ってくれている。何となく、普段ログインすらしないSkypeのクレジットにチャージを入れてみた。誰しも死ぬ前に後悔は少ない方が良い。